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ビタミンB12とマクロビオティック

平成 17 年度厚生労働科学研究費(循環器疾患等総合研究事業) 日本人の食事摂取基準(栄養所要量)の策定に関する研究

主任研究者 柴田克己 滋賀県立大学 教授
III.分担研究者の報告書
13.ビタミン B12 の栄養評価に関する基礎的研究
分担研究者 渡辺文雄 高知女子大学 教授 研究協力者 宮本恵美 高知女子大学 助手

【市販マクロビオテックス料理本に記載されているメニューの栄養評価と改善法】

食生活が多様化している現代、食生活を見直そうとする動きが盛んである。その中で近年、欧米諸国の知識層や国内にも広がりを見せているものにマクロビオティックス食事法がある。マクロビオティックス食事法は桜沢如一(1893 ~1966)が石塚左玄の食養法を基にし、禅や東洋の易学等の思想を含めた食事法として海外に 広めたもので、近年では桜沢を師事した久司道夫が、桜沢のマクロビオティックからさらに発展させたクシマクロビオティックが世界的な普 及活動を行っている (35,36,37) 。マクロビオティックス食事法は菜食主義の一種で、穀物、野菜、豆類、海藻を主体とした食事であり、動物性食品や砂糖をさけるように推奨している。以前から B12 は一部の植物性食品を除き動物性食品にしか含まれていないことから、マクロビオティックスを含むベジタリアンにおいては B12 欠乏に陥りやすいとの報告が多数なされている(38,39, 40)。マクロビオティックスの料理本によっても B12 不足にならないように積極的に海藻を摂取することを推奨しているものも存在しているが、書き方が曖昧であり、料理本によってはのりを一枚食べれはばB12 が不足することがないとするものもある (41,42)。クシマクロビオティックにおいては、文献によって多少異なるが、月に数回または地域によって週に数回魚介類(青、赤身 の魚は除く)を1 割から 2 割程度はとることを認めている (35,36,42)。しかし、現在国内で市販されているマクロビオティックス料理本は動物性食品を使用していないものがほとんどであり、動物性食品を使用した料理を掲載した料理本においても動物性食品を使用した料理は極めて数が少ない。また、積極的な摂取が謳われている海藻についても、海藻によっては B12 がほとんど含まれていないものや真の B12 として証明されていないものもあり、一概に海藻の摂取によりビタミンB12 不足を補えるものかを危惧するところである。そこで、これらのマクロビオティックス料理本を使用して献立を立てた場合に摂取できる B12 含量について検討し、マクロビオティックス食事法において B12 が不足しないための食事の提案を行った。

【方法】

現在日本で入手可能なマクロビオティックス料理本 8 冊(37,41,42,43,44,45,46,47) について、それぞれのレシピに基づいて料理ごとに栄養計算を行った。栄養計算は五訂増補日本食品標準成分表対応、日本人の食事摂取基準 (2005年版) 対応エクセル栄養君Ver4.048) を使用した。レシピによって重量以外で記載されている分量については、資料 (49,50,51) で概算、または実際にその分量ごとに重量を測定し、栄養計算に用いた。また、料理本に記載されている料理を用いてマクロビオティックスの基本(菜食穀類食)に基づいて成人の 1 日 3 食 1 ヶ月(30 日)分の献立を作成した。別に一部のマクロビオティックスで認められている魚介類を週に数回程度取り入れた献立を作成し、それらの比較を行った。

【結果および考察】

マクロビオティック料理本に掲載されている料理 495 品について栄養計算を行った結果 B12 を 0.1μg 以上含むものは32 品であり、残りの料理は全くB12 を含んでいなかった。料理本によっては掲載されている料理でB12 を含むものがないものも存在していた。これらの料理本で使用されている藻類は、あおのり、あまのり(焼きのり)あらめ、いわのり、こんぶ、ひじき、ふのり、もずく、わかめ(めかぶわかめ含む) であった。このうち(五訂増補日本食品標準成分表 56) で、あらめ、こんぶ、ひじき、ふのり、もずく、わかめには B12 がほとんど含まれていないか、全く含まれていない。そのためこれらの料理本中でB12の主な供給源となっている藻類は、あまのり、いわのり、あおのりであった。料理本に使用されていた魚介類からのB12 供給量は、あさり、たらおよびまだいのみであった。これらの料理本を用いてマクロビオティックの基本に基づいて作成した1ヶ月の献立で摂取できるB12 量は1ヶ月の合計が18.4 μg であり、1日平均では0.6 μgしか摂取できていなかった。日本人の食事摂取基準(2005 年版)で示されて いる日本人成人男女の B12 推奨量は1日あたり2.4 μg であり多くのマクロビオティック料理本に記されている料理のみで摂取した場合 B12 が不足することが予想される。一部のマクロビオティック料理本で認められている魚介類を週に2 回程度魚介類を含むように立てた献立では、1日の平均 B12 含量は 2.6 μg となり推奨量を充たすことができた。マクロビオティックス食事法でよく用いられているあまのりやいわのりは B12を非常に多く含んいる食品ではあるが、実際に料理に使用する量はそれほど多くない。よほど注意して毎日それらを多く摂取するようにしない限りは B12 の推奨量を充たすことは難しい。一方、魚介類は一般的な量を週に2回程度取り入れることでB12 の推奨量を充たすことが可能であることから、マクロビオティック食事法を行う上で、完全に魚介類を取り除かないで適度に摂取することが必要である。しかし、市販の料理本にはB12 をほとんど含まない料理を掲載していることがほとんどであり、料理本を使用する場合に注意を要する。

【参考文献】

35) 久司道夫著,久司道夫のマクロビオティック四季のレシピ,pp.1-158,東洋経済新報社 (2004).
36) Kushi Institute, Kushi Institute HP,
http://www.kushiinstitute.org/index.html
37) 日本 CI 協会監修,マクロビオティック体の内側から美しくなる玄米と野菜のレシピ105 品,pp.1-126 日本実業出版社(2004)
38) van Dusseldop M, Schneede J, Refsum H, Ueland PM, Thomas CMG, de Boer E, and van Staveren WA. Risk of persistent cobalamin deficiency in adolescents fed a macrobiotic diet
in early life. Am. J. Clin. Nutr., 69:664-671,
(1999).
39) Dwyer J. Convergence of plant-rich and plant-only diets. Am. J. Clin. Nutr.,
70(suppl):620s-622s, (1999).
40) Louwman MWJ, van Dusseldop M. van de Vijer FJR. Thomas CMG, Schneede, J, Ueland PM, Refsum H, and van Staveren WA, Signs of impatired cognitive function in adolescents woth marginal cobalamin status. Am. J. Clin. Nutr., 72:762-769, (2000).
41) オレンジページムック,シンプルマクロダイエット玄米でおうちゃくダイエット, pp.1-98 オレンジページ,東京 (2004)
42) クロワッサン特別編集 Dr.クロワッサン 健康マクロビオティック料理体の中からきれいになる食べ方,pp.1-126,マガジンハウス(2005)
43) 西野椰季子著,マクロビオティック和のレシピpp.1-111,サンマーク出版,(2004)
44) オレンジページムックマクロビオティックおしゃれレシピ,pp.1-66,オレンジページ(2004)
45) 尾形妃樺怜著,毎日のマクロビオティックレシピ140,pp.1-111,河出書房新社(2004)
46) 日本CI 協会監修,マクロビオティック食べて元気になるレシピpp.1-127,永岡書店(2005)
47) ローラ小林著,マクロビオティック 30 分 de フルコース,pp.1-95,ビジネス社(2005)
48) 吉村幸雄,五訂増補日本食品標準成分表対 応,日本人の食事摂取基準(2005 年版)対応エクセル栄養君 Ver4.0,建帛社(2005)
49) 「栄養と料理」家庭料理研究グループ,調理のためのべーシックデータ,pp.1-153,女子栄養大出版(1990)
50) 鈴木吉彦,塩澤和子,目で見る80キロカロリー食品ガイド,pp1-223,主婦の友社


どうりで先日から青海苔が無性に食べたかったわけだ!今、青海苔の季節ですよね?せっせと佃煮作ってます。また体が欲する度にしじみ汁、あさりのパスタなど食ます。(しじみが動物性食品の中でも最もビタミンB12の含有量が多いと言われています)
動物性食品を常食している方々は心配する必要有りませんが、菜食を志す方は上記の事を踏まえておいてくださいね。
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